80歳で歯を20本残すための方法

永久歯は全部で28本(親知らずを含めると32本)あります。それでけ歯があると「1本くらいなくても大丈夫」と思いがちですが、1本でも歯を失うと隣の歯が倒れてきたり、嚙みっていた向かいの歯が伸びてきたりとかみ合わせに狂いが生じます。ご存知でしたか?
1.20本残すメリット
永久歯は全部で28本(親知らずを含めると32本)あります。それでけ歯があると「1本くらいなくても大丈夫」と思いがちですが、1本でも歯を失うと隣の歯が倒れてきたり、嚙みっていた向かいの歯が伸びてきたりとかみ合わせに狂いが生じます。また、消化器(食堂・胃)疾患、寝たきり率、老後の楽しみにも影響します。健康な歯を保つためにはライフステージに合った予防とケアが必要不可欠です。
1-18020運動
”ハチ・マル・ニ・マル”と読み、8020運動は80歳になっても、自分の歯を20本以上保とうという運動です。
平成元年より厚労省と日本歯科医師会が提唱しました。
2.噛むってスゴイ!!!8大効果
よく噛む事は食べ物を体に取り組むだけでなく、全身を活性化させるためにも重要な働きをしています。
2-1肥満防止
よく噛んで食べることにより、脳にある満腹中枢が働き、食べ過ぎを防ぎます。
2-2味覚の発達
よく噛んで味わうことにより、食べ物本来の味がわかります。できるだけ薄味にし、食材の味を味わいましょう。
2-3言葉の発音がはっきり
よく噛むことは、口の周りの筋肉を使います。表情が豊かになるだけでなく、口をしっかり開けて話す事できれいな発音ができます。
2-4脳の発達
よく噛む運動は脳細胞の働きを活性化させます。子供の知育を助け、高齢者の認知症予防にも役立ちます。
2-5歯の病気を防ぐ
よく噛むとだ液がたくさん出ます。このだ液の働きが虫歯や歯周病を防ぎます。
2-6がんの予防
だ液に含まれる酸素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあると言われています。よく噛むことで、がん予防にもなります。
2-7胃腸の働きを促進
よく噛むことで消化酵素がたくさん出て、消化を助けます。
2-8全身の体力向上と全力投球
歯を食いしばることで、力がわいてきます。
3.歯を失う原因
まず、歯が抜ける原因を知っていますか?その原因のほとんどが虫歯や歯周病です。
3-1虫歯
私達の口の中には、虫歯の元になる細菌がいます。その細菌が、糖質と結びつくことにより、プラーク(歯垢)が形成されます。プラークの作り出す「酸」が歯を溶かします。初期の段階では痛みはほとんどありませんが、進行していくと甘いものや、冷たいものが染み、更に進行するとズキズキと痛むこともあります。
3-2歯周病
歯と歯の間に溜まったプラークによって、歯肉の炎症を引き起こし、やがて歯を支えている骨を溶かしていく病気のことです。プラークは取り除かなければ、硬くなり、歯石になります。歯石は歯磨きでは取り除くことができないだけでなく、プラークの「たまり場」になり、歯周病を進行させてしまいます。歯周病の恐ろしい所は痛みを感じることなく症状が進むことです。
4.歯の守り方
自分の歯で噛むことは食べる事だけでなく、健康を維持するためにも重要だということがわかっていただけかと思います。歯は歯科医院で行うプロケアと自宅で行うセルフケアで守っていく事ができます。
4-1プロケア
歯並びなど、お口の中の状態は一人一人異なるので、歯科医院で専門的なケアをしましょう。
(1)PMTC
普段の歯磨きでは落とせないプラークなどを専門的な機械で取り除く歯のクリーニングです。虫歯や歯周病の予防だけでなく、クリーニング後の歯はツルツル、ピカピカに磨き上げられ爽快感もあります。
(2)歯石除去
歯に付いた歯石は歯ブラシでは取り除くことが出来ません。スケーラーと呼ばれる専用器具を使って除去する必要があります。また、目に見えない歯石もありますので、定期的に除去してもらいましょう。
4-2セルフケア
毎日歯を磨いても、虫歯になった経験はありませんか?しっかりケアしたつもりでも、磨き残しが出来てしまうものです。歯科医院で自分にあったケアを指導してもらい、また定期的にチェックしてもらうことも大切です。
5.まとめ
以上のようなプロケアとセルフケアのチェック、お口の中の状況の変化などを、定期的に(理想は3ヶ月に1度)診てあげることが歯を残していく上で、とても大事なことです。当医院では、そういった定期検診や治療を実施しております。お気軽にご相談下さい。80歳で20本と言わず、全部の歯で食事ができるハッピーライフを実現しましょう!