歯磨き剤には何が入っている?成分を知って自分に合った歯磨き剤を選びましょう
歯磨き剤には、虫歯予防や歯周病予防など、それぞれの目的に応じた成分が配合されているほか、研磨剤や発泡剤などといった成分が配合されています。 成分を理解した上で、ご自身に合った歯磨き剤を選びましょう。
1. 歯磨き剤に配分されている成分
湿潤剤
歯磨き剤のしっとり感を適度に保ち、凝固や分離を防ぐ働きがあります。
発泡剤
歯磨き剤が泡立つ成分で、歯磨き剤を口内に拡散させ汚れの除去を促す働きがあります。 歯科医が推奨する歯磨き剤に低発砲のものが多い理由は、泡が立つことで磨けたつもりになってしまうためです。 泡立ちが良いものが悪いというわけではありませんので、丁寧によく磨くことを心がけましょう
研磨剤
歯垢やステイン(コーヒーや茶渋等の着色汚れ)、タバコのヤニを落とす働きがあります。 ホワイトニング効果の高い歯磨き剤は、歯のエナメル質を研磨して白くするため、クレンザーのような強力な研磨剤が入った歯磨き剤を利用すると、逆に歯を着色しやすい状態にさせてしまうため気をつけましょう。
香味剤
爽快感や、香りを付けることによって歯磨きしやすくなるという働きがあります。
粘結剤
液体成分と粉末成分が分離するのを防ぎ、適度な粘度感を与える働きがあります。
浸透剤
成分を浸透させやすくする働きがあります。
防腐剤
歯磨き剤の変質を防ぐ働きがあります。 ※商品によっては保存料・保存剤と表記されている場合もあります。
薬用成分
医薬部外品の歯磨き剤には薬用成分が配合されており、殺菌剤や抗炎症剤の働きで、歯周病の予防や歯肉炎の予防などの効果があります。 代表的なものにフッ素(フッ化物)があります。
2. 薬用成分の効能
ε-アミノカプロン酸/β-グリチルレチン酸
歯肉炎・歯周病(歯槽膿漏)などの予防や口臭の防止に効果があります。
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
殺菌作用があるため虫歯の予防や、歯肉炎の予防に効果があります。
ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)
虫歯の予防や進行を抑制する効果あり、口臭の予防にも有効です。
フッ化ナトリウム/モノフルオロリン酸ナトリウム
フッ化ナトリウムはナトリウムとフッ素の化合物です。虫歯を予防し酸を抑制し、再石灰化を促す効果があります。 モノフルオロリン酸ナトリウムは主に小児用歯磨き剤に配合されます。
サリチル酸メチル
歯茎などの炎症を抑える効果があります。
トラネキサム酸
歯周病(歯槽膿漏)などによる出血を抑制する効果があります。
乳酸アルミニウム/硝酸カリウム
象牙細管の封鎖を薬用成分が塞ぐことによって歯がしみるのを予防します。
ポリリン酸ナトリウム/ポリエチレングリコール
タバコのヤニを除去する働きがあります。
デキストラナーゼ(酵素)
歯垢(プラーク)を分解・除去し、薬用成分でコーティングすることで、再付着を防ぐ効果があります。
アラントイン
歯茎細胞を活性化して歯茎の組織を修復する組織修復成分です。
3. 歯磨き剤の種類・選び方
3-1歯磨き剤の種類
チューブタイプ
薬効成分の入っていない化粧品分類のものから医薬部外品ものまで様々な種類の歯磨き剤が販売されています。 最近はフッ素入りの歯磨き剤が虫歯予防に効果があるとして、日本においては90%以上を占めるまでになりました。フッ素濃度が950ppmはあるものを選びましょう。ちなみに2017年3月、厚生労働省により、歯磨き剤のフッ化物濃度の上限拡大が承認され、これまで1,000ppm以下に規定されていた歯みがき剤のフッ化物濃度の上限が1,500ppmまで引き上げられました。すでに1,000ppm超の歯磨き剤も市販されています。
ジェルタイプ
形状はとろみのあるジェルタイプで、チューブタイプに配合される研磨剤がないため、歯や歯茎に優しく、電動歯ブラシなどを利用しても歯への負担が低い歯磨き剤です。 また、通常の歯磨き後に、仕上げとしてフッ素を塗る歯磨きジェルもあります。
液体タイプ
マウスウォッシュや洗口剤とも言い、口全体を薬用成分が配合された液体で洗浄します。 使う際、ゆすぐだけで歯垢を落とすわけではないので、ブラッシングもしてください。マウスウォッシュには、目的別に口臭予防用、虫歯予防用、歯周病予防用などがあり、薬用成分が含まれ医薬部外品として扱われているものもありますが、あくまでも補助剤でしかないとお考えください。
粉末タイプ
以前はよく使われていたタイプの歯磨き剤です。 現在は、無添加やオーガニック素材の歯磨き剤に利用されることが多いタイプです。 歯磨き剤の後味(ハッカ等)が残りにくいため、後味が嫌いな方にはお勧めです。
3-2目的別歯磨き剤選び
歯周病を予防したい
歯周病になりにくい口内環境をつくるには、歯周病菌を浸透殺菌し、菌の付着をブロックしてくれる浸透殺菌作用のあるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)などの薬用成分が含まれたものを選びましょう。
歯茎の衰えが気になる
歯茎細胞を活性化させ、歯茎の組織を修復する組織修復成分アラントインや、歯茎の腫れ・出血を抑える抗炎症成分トラネキサム酸が配合されたものを選びましょう。
知覚過敏が気になる
刺激の伝達を防ぐ硝酸カリウムなどの薬用成分が配合されたものを選びましょう。
歯ぐきや着色汚れが気になる
きめ細かな泡が着色汚れ(ステイン)を包み込み、浮かせて除去しやすくしてくれるマイルドクレンジング処方のあるものを選びましょう。
歯茎の抵抗力を高めたい
歯周病リスクが高まる就寝中に、高滞留処方で翌朝までじっくり効くものを選びましょう。(この一節、LIONの資料から)
・こちらもご覧ください→「電動歯ブラシ購入・使用時の5つのポイント」
4. かかりつけ歯科医院で相談するのも○
歯磨き剤それぞれに複数の薬用成分が含まれており、それぞれ得意分野があります。例えば、当院でも販売しているアメリカ生まれの歯磨き剤「デンティッセ」は、歯の白さをどれだけ実現できるか、どれだけ汚れが取れるか、という両部門で優勝しており、審美治療後のメンテナンス用として歯科医院で推奨されています。ただ、虫歯予防、歯周病予防、歯垢除去などの効能は弱めです。
特徴のある歯磨き剤をうまく併用することで、多面的な歯のケアが可能になります。歯科医院は虫歯や歯周病の治療だけでなく、各人のお口の状態に合った歯ブラシや歯磨き剤を選択し、使い方も指導してくれます。お気軽に相談なさってください。
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医院名 :オーラルビューティークリニック白金
診療項目:セラミック矯正、ホワイトニング、ガミースマイル、インプラント、審美入れ歯、歯周病、口臭、
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