お口から出来る転倒予防
実は高齢者の転倒とお口は密接な関係があるのです。口から栄養を摂り健康な体づくりをするのはもちろん大切なことですが、それ以外の関係についてご紹介したいと思います。
1転倒予防
1-1 ふらつきとお口の関係
ふらつきは噛み合わせが悪い事で起こる影響です。平衡感覚に関係する内耳に悪影響を及ぼすため、体全体のバランスを崩しふらつきが生じます。また、左右であごの筋肉にかたよりが生じると頭が傾いてきます。頭が傾くと平衡感覚が狂い重心が片寄ることでバランスを崩しふらつきを増大させてしまうため、それも大きく関わってきます。
1-2 踏ん張ることとお口の関係
人はかみしめる事により、全身の関節周辺の筋肉が働き、体を固定させます。転びそうになった際に噛みしめてふんばる事で転ばないように耐えます。しかし、噛みしめることが困難な状態では大きなふらつきが生じた際に耐えられず膝が崩れ、転倒してしまうのです。しっかり嚙合わせる事ができるお口を保つことでふらつきを少なくできます。大きくふらついた時にもしっかり噛みしめて踏ん張ることで耐えられるようにすることが可能になります。
1-3 認知症とお口の関係
認知症の高齢者に多い転倒原因の1つに危険予測能力の低下があります。それは脳の萎縮により危険の予測や判断が難しくなるからです。歯周病菌に感染するとアルツハイマー病の原因となるたんぱく物質が多く分泌されるという研究結果がでています。また、噛む力の低下で脳への刺激が失われてしまいます。歯がない人は認知症に掛かるリスクが高くなるのです。
1-4 プラスして…
転倒で一番怖いのが骨折です。骨折が原因で寝たきりになってしまう可能性があるからです。骨折についてもお口と大きな関わりがあります。歯周病になり歯を失うと食べ物を噛む力が衰えてしまい、栄養が偏ったり、食事の量が少なくなる恐れがあります。するとカルシウムなどが不足して骨粗鬆症が進行するという悪循環を招いてしまいます。
2.まとめ
お口の状態を整えて、転倒予防につなげましょう。