入れ歯のお手入れの方法 (食べられる喜びをあなたに)
自分の歯と同様に、入れ歯も毎日のお手入れが必要です。お手入れを怠ってしまうと、お口だけでなく、全身に悪影響を及ぼすこともあります。入れ歯のお手入れの際の注意点や、お手入れの手順、お手入れを怠った場合に起こりうることについてご紹介します。
1.なぜ入れ歯が必要なのか?
歯が抜けたままにしておくと、抜けた分だけ噛む力が低下するばかりでなく、抜けた歯のまわりの歯が移動して上下の噛みあわせが悪くなり、どんどん噛む力が弱まってしまいます。歯を抜いた、あるいは抜けた場合は、必ず「入れ歯」や「ブリッジ」などを入れるようにしましょう。
2.入れ歯の汚れとは
①茶しぶ ② タバコのヤニ ③歯石 ④食べカス が主な原因
3. お手入れの際の注意点
3-1 水やぬるま湯を使う
熱いお湯は入れ歯が変形する恐れがありますので、40℃のぬるま湯か水で行うとよいでしょう。
3-2 破損しないように丁寧に
入れ歯は、落とすと欠けたり割れたりしやすいものが多いので、取り扱いには注意しよう。お手入れ中の破損を防ぐために、あらかじめ洗面器やプラスチックの容器などに水をはって上で行いましょう。
3-3 毎食後にお手入れをする
できれば毎食後に入れ歯を外し、お口の中と入れ歯のそれぞれをお手入れしましょう。
3-3-1自分の歯がある場合のお手入れ方法
バネ(クラスプ)をかけている歯は、汚れが溜まりやすくなるので、丁寧にブラッシングするようにしましょう。
3-3-2自分の歯が無い場合のお手入れ方法
歯茎に食べカスやプラークが付着していることもありますので、入れ歯を外した際にうがいをしましょう。
4. お手入れの方法
歯磨きは、1日3回食後に磨かれている方が多いと思います。歯磨きの手法としては、歯磨き粉と歯ブラシのお手入れの他に歯間ブラシやフロス、舌ブラシといった清掃用品や、キシリトールに代表されるガムやマウスウオッシュなど、口腔衛生用品は多岐に渡っています。自分の歯と違い、入れ歯はプラスチックなどの人工材料できているため自浄作用がありません。入れ歯は自分の歯と同様のお手入れをする必要があります
4-1 入れ歯をはずし、水洗い
食べかすや表面のヌルヌルを洗い流す感じです。
4-2 専用のブラシを使いブラッシングをする
歯磨き粉には研磨剤が入っているため入れ歯を傷つけてしまう場合があります。入れ歯専用のみがき剤(研磨剤が入っていないもの) を使うと効果的。
4-3 入れ歯洗浄剤に浸ける
入れ歯をきれいにすることはもちろん、保存の意味も含めて。時間:約20分(頑固な汚れには一晩)
4-4 水洗いをする
入れ歯洗浄剤の成分を洗い流します。入れ歯洗浄剤の種類によってはすすぎ不足が原因で粘膜に炎症を起こす場合があります。
5. お手入れを怠ってしまうと
お手入れを怠ると、下記のことが起こることも考えられます。
1 入れ歯にカンジダ菌が増殖し、加齢やストレスなどで抵抗力が落ちていると、口腔カンジダ症(※1)から全身に影響することがあります。
2 口臭の原因になります。
3 入れ歯に色素や歯石が付きやすくなります。
4 自分の歯がある場合、その歯が虫歯や歯周病になりやすくなります。
(※1)
口腔カンジダ症とは、白い苔のようなものや、ヒリヒリとした痛み、口角が切れるなど、舌や粘膜に異常がみられます。身体の抵抗力が低下している場合は、気管支や、肺、心臓などに感染し、重篤な症状をもたらす