高齢者のお口のケア(今まで見過ごされてきた高齢者のお口の中)
皆さんはご存知ですか?高齢者の口腔ケアは食事介助・身のまわりの介助の一番後回しにされてきました。食べる事の大切さを一緒に考えていきましょう!
1.高齢者の口臭(今まで見過ごされてきた高齢者のお口の中)
1-1高齢者の臭いとは
お口のにおいの原因が、「自分が嫌われ者なのではないのか?」と思い込み悩んでご相談に来られる方もいらっしゃいます。口臭の原因の多くは、お口の中の細菌が糖を分解するときに発生する、「揮発性硫黄化化合物(メチルカプタン・メチルサルファイド)」です。歯周病で歯肉の炎症進んで出血や膿が溜まった状態が続くとさらに悪臭を発生します。
1-2臭いはどこから来るの?
口臭の原因となる細菌は、普通は歯と歯肉の溝(歯周ポケット)に生息していますが、口腔ケアが不十分であったり、唾液の分泌が低下がすると舌や上あごにも沢山つくようになります。口で呼吸している人は、口の乾燥が進み更に口臭が強くなります。臭いのタイプは①生臭い臭い②魚のような臭い③物が腐ったような臭い④すっぱい臭いなどです。近くで「ハァ」と息を吐いてもらい、におう程度なら支障はありませんが、ひどくなるとその人の部屋に入っただけでもにおいがします。
1-3口臭はトラブルのサイン
口臭は単なるにおいではなく、お口のトラブルのサインです。口臭があれば歯周病や虫歯舌のよごれなどが疑われます。歯や舌をブラッシングし、病気を予防すると共に口臭を抑えましょう。高齢者(本人)は気づきにくいので、ご家族がさりげなく口腔ケアをすすめてみるのも方法です。
1-4口臭チェック
口臭のチェックシートを作成しました。あなたは大丈夫ですか?
① 食後に歯磨きをしない人
② 虫歯や歯周病がある人
③ 唾液の分泌が低下している人
④ あまり会話をしない人(一人暮らしの方)
⑤ 入れ歯が汚れている人
⑥ 全身疾患のある人
→①~⑦にあてはまる人は、歯医者さんのチェックを受けましょう
2.効果的な予防方法
2-1リラックスを心がける
自立神経の働きにより、緊張すると唾液分泌が減り、リラックス状態のときは唾液が出やすくなります。緊張して口が渇くときは誰でも経験のあることでしょう。気付いたときは肩の力を抜いて、深呼吸やお水を少し飲んで喉を潤す事も重要です。
2-2唾液腺マッサージ
頬の内側を伸ばすように、左右の頬を指で上下に数回こすってみてください。また、舌を左右に動かすだけでも、唾液腺が刺激されてお口が潤います。
2-3よく噛んでバランスの良い食事をする
柔らかいものばかりの食事をしていると、口の周りの筋肉が衰え唾液の分泌が減少する原因にもなります。
①噛みごたえのある食品(まめ・ごま・わかめ)
②一口30回を目安に食事をしましょう
※噛み応えのある食品
ま:豆(納豆・大豆・豆腐・小豆・黒豆・油揚げ・高野豆腐)
ご:ごま(アーモンド・ピーナッツ・くるみ・ぎんなん・松の実)
わ:わかめ(ひじき・のり・昆布・もずく)
や:やさい(ほうれんそう・トマト・白菜・)
さ:魚(青魚・鮭)
し:しいたけ(まつたけ・マッシュルーム・しめじ・エリンギ)
い:芋(じゃがいも・さつまいも・里芋・山芋)