歯磨き嫌いのお子様には「電動歯ブラシ」という手もありますよ
お子様は、歯をちゃんと磨けていますか?歯磨き嫌いではないですか?どうせ磨くなら、楽しく効果的に磨きたいものです。今回は、小児歯科で行ったモニター調査結果もからめながら、子供の電動歯ブラシの使用について情報をお届けします。
【目次】
1. アプリ連動型電動歯ブラシ
1-1 アプリ連動型電動歯ブラシ
1-2 子供が電動ブラシを使う際の留意事項
2. (ご参考)モニター調査
2-1 目的
2-2 対象と方法
2-3 結果と考察
1. アプリ連動型電動歯ブラシ
1-1. 子供向け電動歯ブラシの特徴
普段から上手に歯を磨けているお子様は、無理に電動歯ブラシに変えなくてもいいでしょう。勝手が違うため、電動歯ブラシに変えてから、歯の汚れが残るようになったという報告もあります。従って、電動歯ブラシは、歯磨き嫌いのお子様にお勧めできます。
子供用電動歯ブラシは、様々な種類が市販されていますが、「白金こどものはいしゃさん」では、フィリップスの「ソニッケアーキッズ(以下、「キッズ」と省略)」をお勧めし、販売もしています。「キッズ」は、毎秒500回の振動と幅広い振幅の組みわせにより音波水流を発生させ、効果的に歯垢の除去ができます。手磨きより最大で75%多くの歯垢を除去できるとされています(2015年、フィリップス調べ)。
▲ソニッケアーキッズ
「キッズ」には、大人向けのものにはない次のような特徴があります。
・ブラシがやや小さめ
・持ちやすいようにハンドルは少し太め
・振動が優しいモードがある
・落下などの衝撃に強い
・スマホやタブレットを使ってアプリとの連動が可能
▲アプリの画面例
左:磨き終えると、アイテムがもらえたり、進化させたりできる
右:画面の動きに合わせて歯をみがくと、磨く順番がわかる
対象年齢は、キッズの4〜12歳程度。使っているうちに、歯磨きへの動機付けができたり、モチベーションが高まったりして楽しく続けられることが期待できます。
ただ、効果が得られるにはそれなりの練習が必要です。
1-2. 子供が電動ブラシを使う際の留意事項
歯磨き粉はつけない
歯磨き粉には発泡剤が含まれていることが多く、電動歯ブラシの小刻みな振動により泡だらけになって磨きにくくなるだけでなく、磨ききれていないのに磨いた気になってしまうこともあります。
フロスを併用する
いくら電動歯ブラシでも、歯間までは届きません。フロスは併用しましょう。
親御さんの仕上げ磨きは必須
10歳くらいまでの子供さん自身で完璧に磨くのは難しいものです。必ず、親御さんが仕上げ磨きをしてあげてください。その際、なるべく手用の歯ブラシを用いるのがお勧めです。特に、低年齢のお子様のお口は小さいので、電動のものを使用すると、仕上げをしていても磨き残しが出やすくなります。
・こちらもご覧ください→「電動歯ブラシ購入・使用時の5つのポイント」
・こちらもご覧ください→「お子様の歯磨きに悩んでいませんか?」
2. (ご参考)モニター調査
「白金こどものはいしゃさん」では、電動歯ブラシの習慣化をテーマにしたモニター調査を実施しましたので、以下にその概要をお示しします。本件は、2018年の小児歯科学会の場で発表したものです。
2-1. 目的
子供に自発的に歯磨きをするように動機付けするのは難しいですが、アプリ連動型電動歯ブラシを使用することにより、自発的な歯磨きが継続してできるかどうか検証しました。
2-2. 対象と方法
対象は、4〜9歳の電動歯ブラシ未経験の患者様9名。
次のステップで進めました。
1回目に上記項目を実施し、3カ月後に2回目を実施しました。
▲電動歯ブラシ体験の様子(「白金こどものはいしゃさん」にて)
2-3. 結果と考察
・電動歯ブラシを使用して3カ月後の継続使用率
→100%(9/9名)
・アプリの継続使用率
→56%(5/9名)
・PCR(口腔内清掃状態を示す指数)
→1回目手磨き時:62%
1回目の電動歯ブラシ後:27%
2回目の電動歯ブラシ後:48%
歯垢除去力は、手磨きより電動歯ブラシの方が上回った
・保護者の満足度アンケート
→初回説明時:8.9/10段階
3カ月後:9.0/10段階
・親が声をかけなくても子供が進んで歯磨きを行うようになった
→78%(7/9名)
上記のように、ほとんどの親御さんから、電動歯ブラシを使って以来、子供の歯磨きに対する姿勢の変化があったという声が寄せられました。
アプリへの好奇心はあったのも要因の一つと考えられますが、電動歯ブラシを使用することにより、楽しみながら自発的な歯磨きが継続してできることが検証できたと判断しました。