たかが「歯ぎしり」と思っていませんか?

歯ぎしりによって起こる症状があることをご存知ですか?ここでは歯ぎしりについて詳しくお伝えします。
1.歯ぎしりの種類
1-1グラインディング
歯ぎしりの中で多く見られるものです。主に就寝中に上下の歯をギリギリ擦り合わせるタイプです。音がするため、周囲の人が気付くことがあります。
1-2クレンチング
就寝中や日中に、上下の歯をグッと食いしばるタイプです。音が出ないので気付かないこともあります。
1-3タッピング
これも歯ぎしりです。上下の歯をカチカチ当てて鳴らすタイプです。
2.歯ぎしりの原因ー日常気をつけること
2-1噛み合わせ
奥歯の噛み合わせが悪い、引っかかるなどの違和感によるもの。
―歯医者さんで噛み合わせの調整をしてもらいます。
2-2咀嚼不足
人は咀嚼によって自分の噛み合わせを微調整する機能を持っています。普段の食事で咀嚼回数の少ない人は、この微調整が足りないことになります。そこで就寝時に歯ぎしりをしてしまうという結果になります。
―柔らかい物ばかり食べず良く噛んで食べましょう。
2-3ストレス
日々の蓄積したストレスにより筋肉が緊張するため、くいしばりや睡眠時の歯ぎしりを強く起こしてしまうことがあります。また、解消するために行う場合もあります。
―出来るだけストレスを溜めないようにしましょう。解消のために歯ぎしりをするならばマウスピースを使いましょう。
2-4歩行不足
歩行の量が足りない人は猫背になります。猫背になると顎の位置が悪くなってしまいます。そうなると噛み合わせが大きくずれてしまいます。そのずれが歯ぎしりの原因になるのです。
―大きく手を振って歩きましょう。良い姿勢を意識して、少し多めに歩きましょう。1万歩くらいを目指せれば良いですね。
2-5不良補綴
虫歯の治療などにより上下左右の噛み合わせバランスが崩れた場合、体の様々な部位にストレスがかかり、それが食いしばりにあらわれることがあります。
―しっかりした治療を受けましょう。
3.歯ぎしりによる症状
3-1歯周病が進行しやすい
歯ぎしりにより歯を支えている骨に無理な力が伝わり、骨が溶けていきます。
3-2顎関節症が悪化することがある
顎と頭をつなげている顎の関節は、関節円板という軟骨(正確には軟骨ではない)があります。歯ぎしりによって関節円板が圧縮され、ずれたり穴が開いたりしてスムーズに動かせなくなります。そうすると、顎が痛くなったり、音が鳴ったり、顎が開きにくくなります。
3-3歯のすり減りやくさび状欠損
歯ぎしりで強い力が歯の根元にかかることで、エナメル質と象牙質の間から歯が砕けるように削れていきます。
3-4肩こり顎の疲れなど
歯ぎしりに使う筋肉は顎から首や肩にかけてや、顎から頭の横に広がっている側頭筋などがあります。そのため、歯ぎしりをすることによって筋肉が緊張し、疲労感などからコリや痛みを伴うことがあります。
3-5頬粘膜や舌の圧痕
歯ぎしりや食いしばりをしていると頬の内側の粘膜や舌の横に歯の圧痕(白いギザギザした線)がつくことがあります。
3-6骨隆起
歯ぎしりによって,(歯周病になるほどではない)強い力がかかることによって,歯を支える骨が過剰に発育してしまいます。歯茎の周囲がコブのように出っ張ってきます。
4.対処療法
4-1マウスピース
歯ぎしりによって、歯や顎に悪い影響を及ぼすことがあるためにマウスピースを使用して歯を守ります。マウスピース分顎の関節にすき間ができ、関節円板にかかる負担を減らすことが出来ます。市販もありますが、歯に合わなかったりかえって噛み合わせが悪くなることもあるので、歯科医院で型取りをしてカスタマイズするのが良いでしょう。
4-2咬合調整
噛み合わせを正しく調整することで、噛むための筋肉や顎の関節の負担を減らします。
5.まとめ
人は意識して思いっきり噛みしめようとしても「これ以上は止めよう」と感じます。しかし、就寝中は意識がないので大きな力(100㎏ともいわれます)で噛みしめてしまいます。そのために、自分で自分の体を壊すほどの悪影響を与えるのです。意識したり、暗示にかけたりすることで歯ぎしりをしないようにします。ストレス解消を上手にしましょう。食事は良く噛み、バランス良くいただきます。正しい姿勢でしっかり歩きましょう。歯の治療は途中で止めたりせず、最後まで通いましょう。