院内感染予防対策で知る、安全な歯科医院

1.現在の歯科医院の現状

1-1感染のメカニズム

そもそも、感染はどのようにして起こるかというと、病原微生物(ウイルスや細菌、寄生虫など)が体に付着し、定着、増殖することによって引き起こされます。歯科の現場では、B型肝炎(HBV)やC型肝炎(HCV)、ヒト免疫不全(HIV)などの、血液や体液(唾液など)を介して起こる感染症に、特に注意が必要です。では、このような感染症は、具体的にどの場面で感染のリスクが高まるのでしょうか。

1-2院内感染の危険因子

現在、日本は世界の中でも、残念ながら医療従事者の感染率が高い国です。例えば、血液や唾液が飛び散ることや、歯を削る器具を使用することで、感染のリスクは高まります。しかし、歯を削ることは治療をするにあたって必要なことですし、お口の中に触れれば血液や唾液に触れることになります。ですから、これらから身を守るために、今からお伝えする『院内感染予防対策』について知ることがとても大切です。

2.院内感染予防対策とは

感染の有無に関わらず、すべての人に対して適応される標準予防策＝スタンダードプリコーションと言います。つまり、誰に対しても同じ高いレベルで感染を防いでいくための対策です。この対策はすでに歯科医院で義務付けられておりますが、現状、各々レベルにバラつきがあります。感染症からの身の安全の確保や、高品質な歯科医療を受けるためにも、この対策をきちんと行っている歯科医院かどうかを見分けなければなりません。

3.安全な歯科医院の見分け方

3-1ディスポーザブル(使い捨て)を使用している

グローブやマスク、エプロンは勿論ですが、できる限りディスポーザブルにすることによって、再利用による人から人への感染を防ぎます。

3-2正しい頻度で消毒・滅菌がされている

ディスポーザブルにできない器具などは、微生物を殺滅・除去するために、消毒や滅菌をします。出しっぱなしの器具を使わず、患者様一人一人に対してきちんと準備がされているかがポイントです。器具の種類によっては、袋にパッキングされている場合もあります。

3-3グローブで無やみに周りのものに触れない

使い回しはしていなくても、カルテやパソコン・マウスなど、治療と関係のないあらゆるところをグローブをつけたまま無やみに触ると、そこから細菌が繁殖し、感染に繋がります。例えば、日常で食べ物がついてしまった手で周りに触ると、触ったところは汚れがついてしまうと思います。歯科医療の現場では、この食べ物の汚れが細菌だと思って下さい。ですからスタッフは、患者様とお話をする時などに、グローブを外した上で身の周りのものに触れている必要があるんですね。

4.まとめ

自分の治療でこんな対応をされたら嫌だな…と思うことは、殆どの皆さんが感じていることです。今回お伝えしたことも然り、それ以外のことでも同じことが言えます。スタッフは常に、自分や周りの大切な人の立場となって、患者様に対して安心・安全な歯科医療の場を提供していきます。もし、何かご不明なことや、疑問に感じたことは、お気軽にスタッフにお伝え下さい！