一口にガミースマイルと言っても、その状態は様々です。それぞれの人に合った治療法があり、場合によっては体への負担が大きいものもあるため、正しく理解して専門医と相談の上、治療法を慎重に選ぶ必要があります。そこで、ガミースマイルの主な原因と治療法をまとめてみました。さあ、あなたも思いっきりの笑顔を取り戻しましょう。大げさではなく、本当に人生が変わりますよ。

1. 歯茎が過剰に出る3つの原因

1-1. 筋肉に原因がある場合

上唇を引き上げる筋肉は、「上唇挙筋（じょうしんきょきん）」と呼ばれ、上唇と小鼻を引き上げる働きをします。この筋力が強すぎると、唇が歯茎の上まで上がってしまい、笑ったときに歯茎が目立つ状態になってしまいます。また、上唇は適度にふっくらしているのが魅力的と言えますが、筋肉に強い緊張がある場合、笑ったときに上唇が薄くなります。

　　　　　▲上唇挙筋（赤い部分）

1-2. 骨に原因がある場合

骨に原因があるのは、上顎が大きいか、下顎が正常より小さい場合です。上顎が大きくなるのは、遺伝もしくは上顎骨が下方向に成長してしまった可能性があります。上顎に比べ下顎が小さくなるのは、遺伝の場合もありますが、子供の時の食生活や口呼吸、また、唇をかむ、下顎に肘をつくなどの悪い癖が原因になる場合もあります。

いずれの場合も、成長期に骨が正常に成長しなかったことが原因です。骨を正しく成長させるには、口を閉じる習慣を身につけ、前歯で正しくかんで刺激を与えましょう。口を開けていると、上顎は下に成長してしまい、結果的に上顎と下顎のバランスが悪くなり、上顎が大きくなります。口を閉じて正しく成長すると、上顎は前に伸び、顔が立体的になります。

特に女の子は成長が早く10歳から12歳くらいまでで発育が止まります。成長が止まるまでに歯を正しく使い、かむ刺激を与え、口を閉じる習慣を身につければ、修正が可能です。

▲左から、上顎が大きいパターン、正常、下顎が大きいパターン

1-3. 歯に原因がある場合

歯に原因があるのは、歯の面積が小さく歯茎が広いか、上顎に問題はないが前歯が出ている場合です。歯の面積が小さく歯茎が広いのは、歯が短い、または歯が生えている場所が低いからです。通常よりも歯が短く歯茎の範囲が広いため、話す時や笑ったときに歯茎が目立ちます。上顎に問題はないが前歯が出ているのは、小さい頃の指しゃぶりや下唇を噛む、舌で前歯を押すなどの悪い癖が原因の場合が多いようです。歯冠長（歯の見えている部分の縦の長さ）が標準サイズかどうか見極めるポイントを教えます。中央の前歯の長さは11.3mm程度が標準的です。

2. 「デジタルスマイルデザイン」

患者様の症状やニーズ、ご予算など様々ですので、治療法はケースバイケースです。術前に歯科医師と十分に話し合い、納得した上で次の段階に進むことを強くお勧めします。オーラルビューティークリニック白金では、審美歯科シミュレーション（デジタルスマイルデザイン）を導入し、術前に撮影させていただいた患者様の顔写真をベースに、専用パソコンソフトを使って作った何通りかの施術方法によるそれぞれの術後の姿を画面でお見せした上で、どの施術方法が最適かを決めていくシステムを採っています。これだと、安心して施術に進むことができ、施術後が事前に画面で見たイメージに近いため、満足度も高くなります。

　　　　　▲審美治療シミュレーション（Digital Smile Design）

3. お勧めの治療法

施術方法はケースバイケースと書きましたが、オーラルビューティークリニック白金では、おおよそ次の3種類の方法が大半を占めています。

3-1. 歯冠長延長術

歯のかなりの部分が歯茎に隠れてしまっている場合、この術式を採る場合が多くなります。歯茎が歯に大きく被さっている方は、歯茎の中にあって歯を支えている「歯槽骨」という骨を整形してから歯茎を切除することにより、標準的な歯の高さまで歯が見えるようにします。下図のように、通常、歯茎は、歯槽骨の上端から3mmくらいのところまで被さっていて、後述の「4-5. 歯肉切除」だけ行っても、半年ほどで歯茎が元の位置まで回復してくる確率が高くなります。歯茎を切除しても歯槽骨の上端から3mmくらいのところまで回復するという生物学的な特性を考慮して、歯槽骨を削って位置を下げることにより、結果的に歯の見える部分が長くなるのです。

3-2. 上唇粘膜切除術

上唇が上がり過ぎることで歯茎が露出してしまう場合には、この方法を検討します。上唇の内側の歯茎を短くすることで上唇が上がりにくくなり、歯茎が目立たなくなります。上唇の筋肉の緊張のせいで薄くなっていた上唇の厚みも、術後に増しています。

なお、ガミースマイルの程度によっては、3-1.の歯冠長延長術と3-2.の上唇粘膜切除術を併用するケースもあります。逆に患者様が併用を希望されても、どちらか一方の施術で効果が十分と思われる場合は、一方の施術で終了する場合もあります。

3-3.歯冠長延長術＋セラミック治療

歯冠長が短いだけでなく、歯の位置が下過ぎる、あるいは前に出過ぎている場合には、この方法をお勧めしています。歯の位置を変えることになるので、オーラルビューティークリニック白金では、術後のシミュレーション画像だけでなく模型もお示しし、より立体的にイメージを掴んでいただきます。セラミックを併用することにより、歯の位置や形、色などをダイナミックに変えることができます。

4. その他の治療法

上記3-1〜3-3以外にもガミースマイルの治療方法がありますので、ご紹介します。

 4-1. ボトックス注射

1-1図で示しました「上唇挙筋」の近くに「ボツリヌス菌」を注射することで筋肉の収縮を抑制して上唇を上げにくくする方法です。ボツリヌス菌が出すたんぱく質には筋肉の活動を抑制する作用があります。繰り返し注射することで徐々に筋力が落ちて唇があまり上がらなくなってきますが、効果は一時的で、注射をやめれば元に戻ります。治療した結果がどんなイメージか知りたいと思ったら、試してみてもいいかもしれません。定期的にボトックス注射を打ち続けるのか、手術のような恒久的な治療をするのかは、患者様のお考えによると思いますが、オーラルビューティークリニック白金ではボトックス注射を行っておりません。

4-2. 歯肉切除

3-1の歯冠長延長術では、ちゃんと歯槽骨の整形まで行うため、術後も歯冠の長さが長くなった状態をキープできますが、単に歯茎をカットするだけの歯肉切除の場合、歯茎が元通りになり、いずれは施術前の状態に戻る可能性が高くなります。こちらも、オーラルビューティークリニック白金では行っておりません。

・こちらもご覧ください→「歯肉切除と歯冠長延長術の違い（YouTube）」

 4-3. インプラント矯正

インプラント矯正は、上顎にインプラント（ねじやプレート）を埋め込み、そこを支点に歯を動かしていく矯正方法です。ガミースマイルの改善だけでなく歯並びも同時に綺麗にすることができます。口腔状況によっては健康な歯を抜歯する場合もあります。オーラルビューティークリニック白金では、デメリット（治療期間が長い、高額になる等）を考えると、あまりお勧めしておらず、まずしっかり矯正を行ってからガミースマイル治療に移ることが多くなっています。

 4-4. 外科手術（骨切り）

歯の位置を変えるために外科手術によって上顎の骨を削ることになるので、歯科ではできない手術です。詳細は省きますが、上顎骨の移動により上下顎のバランスを整えるために、下顎も併せて移動する必要が出る場合もあります。顔つきが変わって見える場合もありますので、事前に検査とシミュレーションをして術後のイメージを確認しておくことが重要です。

5. まとめ

これまで述べてきましたガミースマイルの各種治療法を以下にまとめてみます。いずれの治療法にも長所短所はあります。ガミースマイル治療においては、患者様も大きな決断をされて臨まれるわけですから、必ず専門家にご相談ください。美容整形は歯の専門家ではありません。一般歯科は歯茎や唇の専門家ではありません。ガミースマイル治療は、歯、歯茎、唇のトータルプロモーショをプロデュースできる専門家にご相談ください。

オーラルビューティークリニック白金では、最短4回の通院で治すことが可能です。治療方法により回数が増えることもありますが、いずれにせよ比較的短期間で治療できます。

・1回目：カウンセリング～シミュレーション（無料）

・2回目：施術（90分程度）

・3回目：抜糸

・4回目：経過チェック

なお、東京から遠い方の場合、上記の例の1回目と2回目の内容を1回で済ませ（事前に歯の写真を送っていただけるとなおベターです）、抜歯は地元の歯科で行うと、東京に出るのを1回で済ませることが可能です。ご相談ください。

・こちらもご覧ください→「ガミースマイル治療（YouTube）」

・こちらもご覧ください→「ガミースマイル専門家（YouTube）」